眠り姫の枕になりたい王子たちは、今日も姫を甘やかす

でも、リンちゃんは私をジロジロ見てこないし何も聞いてこない。



だから私もなにも聞かなかった。



自分がされて嫌なことはしたくなかったから。



私たちは小学校が終わった頃に近くの小さな公園で待ち合わせして、日が落ちる頃家に帰る。



それの繰り返し。



一緒にいると心地よくて、家族と話すときのように自然体でいられる。



優しく私に寄り添ってくれて、もっと知りたいと何度思ったことか。



………そのリンちゃんが彼だとは、到底思えない。



しかも、女の子だと思っていたのに目の前にいるのは紛れもなく男の子。
< 19 / 104 >

この作品をシェア

pagetop