眠り姫の枕になりたい王子たちは、今日も姫を甘やかす

大袈裟すぎる。



「…ダメ?」



「う…」



捨てられた子犬みたいに目をうるうるさせる巴月くんを見ていると、こっちが悪いんじゃないかと思わされてしまう。



…しょうがない、よね。



「凛…くん?」



勇気を振り絞って出した声。



やっぱり、ちょっとだけ弱々しい。



聞こえるか聞こえないか…それくらいの大きさなのに。



「…ありがとう、夢羽。夢羽はやっぱり優しいね」



ちゃんと拾って返してくれる。



「っ…これくらいなら、呼べるもん」



私が知ってるリンちゃんも、そういう子だった。

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