眠り姫の枕になりたい王子たちは、今日も姫を甘やかす
会話が難しい人だと頭を抱えたくなったとき、彼の雰囲気が変わったことを察した。
無邪気に笑っていた少年は、もういない。
「噂の眠り姫とはちょっと違うけど……」
鋭く光る目が、私を捕らえていて。
片方の口角が上がると、新しいオモチャを見つけた子供を思わせる表情を見せた。
「興味湧いてきちゃったな、夢羽ちゃんに」
「…っ」
少し高めのテノールが、こんなにも怖いと感じることは滅多にないだろう。
ゾクリと背筋が凍る感覚。
獲物として捕らえられた小動物のごとく震えてしまい、近づく影から逃れられない───