春の花咲く月夜には
それこそ、せっかく言ってくれてるし・・・と、大人な感じのちょっといいお店を選ぶべきかもしれないと、ふっと思いがよぎったけれど。

しばらくお酒は控えたかったし、今日の私は、ハンバーグとミニメロンパフェがとても食べたい気分だったのだ。

彼に変な気を遣いそうになってしまったけれど、素直に行きたいお店を言えてよかった。


(・・・でも、今後は割り勘にしてもらおうかな。だんだん負担になると思うし・・・)


賀上くんの性格か、「男だから」的な考えなのか、付き合う前から、彼はいつもデート代のほぼ全てを支払ってくれている。

もちろんとても嬉しいけれど・・・、私はいちおう先輩で、賀上くんよりお給料は多い気がするし、彼はバンド活動で費用もかかっていると思うから、私にばかりお金を使ってもらうのも申し訳ない。


(・・・とはいえ・・・)


彼は自分が年下で、頼りないかもしれないことを気にしてる。

私があまり年上感を出してしまうと、彼のプライドを傷つけるような気がするし、余計に気を遣わせてしまうかもしれない。


(・・・・・・、少しずつ、かな)


これから徐々に、色々なことを話していきながら。

話しにくいと感じることも、もっと気軽に話せるようになれればいいな。

まだ、始まったばかりの私たち。

今は手探りみたいな状態だけど、お互いが心地よく、ずっと一緒にいられるような関係を作っていけたらいいなと思う。










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