クール系ドS次期当主様はスキンシップがお好き
「それがそのネックレスだっけ?」
「そうそう。なんとなくお守りみたいに今でも付けてるんだよね」
あれから十年くらい経った今でもなんとなく手放すことが出来ずにいる。
私は胸元からネックレスを取り出して沙織に見せた。
するとその瞬間、さっきまで大人しかったカラス達が一斉に羽をばたつかせた。
なんか急にソワソワし始めたような……。
どうしたんだろう、と二人で見ているとカラス達はバサバサと羽音をたてて一斉に飛んでいってしまった。
「行っちゃったね」
沙織と顔を見合わせていると、不意に後ろから声を掛けられた。
「次、移動教室に変更になったぞ」
振り返るとそこにいたのはクラスメイトの大鴉 蓮くんだった。
大鴉くんは黒髪黒目のクール系イケメンで、入学してまだ一ヶ月くらいしか経ってないのにもうすでにファンクラブがいるらしい。
たしかに大鴉くんは女子に囲まれていることが多い気がする。
当の本人はそのことには気にもとめていないようで、騒ぐ女子達を軽くあしらっているのを何度か見かけたことがある。
イケメンだな、とは思うけど特に興味もなかったから気にぜず過ごしてたけど。
「そうなんだ。教えてくれてありがとう」
私がそう返すと大鴉くんはそのまま無言で歩いて行ってしまった。
「大鴉くんと初めてしゃべったかも」
「わたしらは話しかけにいかないもんね」
「話すこともないしね」
私と沙織は食べ終えたお弁当を片付けて、次の授業の準備をすべく立ち上がった。
「そうそう。なんとなくお守りみたいに今でも付けてるんだよね」
あれから十年くらい経った今でもなんとなく手放すことが出来ずにいる。
私は胸元からネックレスを取り出して沙織に見せた。
するとその瞬間、さっきまで大人しかったカラス達が一斉に羽をばたつかせた。
なんか急にソワソワし始めたような……。
どうしたんだろう、と二人で見ているとカラス達はバサバサと羽音をたてて一斉に飛んでいってしまった。
「行っちゃったね」
沙織と顔を見合わせていると、不意に後ろから声を掛けられた。
「次、移動教室に変更になったぞ」
振り返るとそこにいたのはクラスメイトの大鴉 蓮くんだった。
大鴉くんは黒髪黒目のクール系イケメンで、入学してまだ一ヶ月くらいしか経ってないのにもうすでにファンクラブがいるらしい。
たしかに大鴉くんは女子に囲まれていることが多い気がする。
当の本人はそのことには気にもとめていないようで、騒ぐ女子達を軽くあしらっているのを何度か見かけたことがある。
イケメンだな、とは思うけど特に興味もなかったから気にぜず過ごしてたけど。
「そうなんだ。教えてくれてありがとう」
私がそう返すと大鴉くんはそのまま無言で歩いて行ってしまった。
「大鴉くんと初めてしゃべったかも」
「わたしらは話しかけにいかないもんね」
「話すこともないしね」
私と沙織は食べ終えたお弁当を片付けて、次の授業の準備をすべく立ち上がった。