【短編】KISS
KISS
――キーンコーンカーンコーン。



ふう。

やっと終わった。

長かったなあ。


六時間目終了のチャイムと同時に、教室はざわめきだす。



だって今日は金曜日。

やっと一週間が終わったんだもん。

みんな気が抜けるよねえ。


「ねえねえ、ニイナ。アユたん、ついにケンスケとキスしたんだって!」


前の席のミクが振り向きながら小声で囁く。



「えー、キス???」


思わず大声を上げてしまった。



だって、ねえ。

キスだよ、キス。

驚くにきまってるじゃん。



「ちょっと、ニイナ。しいっ!みんな注目してるし」


人差し指を立てて私をにらみつけるミク。

恐る恐る周りを見回すと、ほんとだ、みんなこっちを見てる。





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