【短編】KISS
ツバサくんの唇はふんわりやわらかくて、ミントの匂いがした。

一瞬だったけど、今、あたしキスされた…よね。



びっくりして、隣のツバサくんの顔を見ると、「ニイナちゃん、好きだよ」って小さな声でツバサくんが言っていた。



――ニイナちゃん、好きだよ。



ツバサくんの言葉が頭の中でぐるぐる回っていた。



ファーストキスは思いがけず突然で、あたしの記憶はなんだか曖昧です。



でも、確かに、あたしはツバサくんのことを昨日よりももっと好きになっていて…。



こんな気持ち生まれて初めて。



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