【短編】KISS
ま、わざわざ更衣室で着替えることもないんだけどさ。

だって、制服の下に体操服着てるもんね。



セーラー服を脱ぎながら、あたしはさっきのことを思い出す。

アユたん、キスしたって言ってたよね。

あたしなんか彼氏だっていないのに。


「ねえ、ミク。中二でキスって早い?」


もごもごセーラー服の下でもがいていたミクがあきれたような声を出す。


「はあっ? 早いわけないじゃん! 何言ってんの?」

「だよねえ。遅いよねえ」


あわててミクにあわせるあたし。

あー、見栄っ張り!



「シイナなんか小五でキスしたって自慢してたよ」

「まぢっ?」

「クラスの子とだって」

「それ早すぎじゃないの?」



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