【短編】KISS
「さて…と。ニイナちゃん、どこか行きたいとこある?」

ツバサくん、コーラをきゅうっとストローで吸い上げると、あたしの目をじっと見つめる。

「えっと…」

あたしはツバサくんの目をじっと見返すことができなくて、取り繕うようにコーラのストローを口に持っていった。

「あ、それ俺の…」

「え?」

「いや、まあいいんだけどさ。俺のコーラなんだ、それ」

「きゃあ、ごめんなさい!!」



しまった。

あたし、ツバサくんのコーラ飲んじゃった!!

どうしよう、いきなり間接キスしちゃったじゃん!!

ものすごくうろたえてしまって、あたし顔を上げられなくて。

うつむいたまま困ってしまっていた。



そしたら――。
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