【短編】KISS
「ニイナちゃん、かわいい」

そう言って、あたしの顔を覗き込んだ。

「ねえ、俺たちつきあっちゃお!」

あたし、あんまりびっくりしすぎて、なんにも答えられないまま固まっていると、

「ニイナちゃん、俺とじゃいや?」

って、ツバサくん、まっすぐあたしの目を見るんだもん。



いやなわけないよ。

ツバサくんはかっこよくて、おしゃべりも上手で、こんな彼氏がいたらいいなあなんてあたし思ったし。

でも、言葉にするにはどきどきが激しすぎたから…。


何度も首を横に振った。


「よかった。こんなかわいい子と付き合えるんだもん。俺、ラッキー!!」
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