明日翔くんの求愛行動は間違っている
プロローグ

☆花湖side☆


「もしまたオマエが

 好きでもない奴と付き合うことになったら

 俺がこの地球を、ぶっ壊すからな!」



 10歳の時、私は怒鳴られた。


 満天の星空の下。


 UFOの上に立つ

 金色の髪をなびかせた男の子に。



 可愛い天使顔なのに

 狂犬みたいに吠えまくる美少年。


 名前はアスカくん。

 私と同い年なんだって。



「俺が宇宙人だってバラしても
 
 地球滅亡だからな。誰にも言うなよ!」



 声を張り上げながらUFOに乗りこんだ彼。


 そのまま、私の前からいなくなっちゃった。


 

 あれから8年。




 アスカくん、私は18歳になったよ。

 高校3年生。


 今でも、あなたとの約束を守っているよ。


 大好きな人以外に告白されても

 必ず断っている。


 私のせいで、地球がなくなっちゃうのは嫌だからね。



 好きでもない人と付き合ったら

 地球をぶっ壊すかぁ……



 はぁあぁぁぁぁ~~。


 きっと私は一生

 彼氏ができないんだろうな。



 だって



 私の大好きな人は、地球人ではなく宇宙人で



 爆発的大人気アイドル『ヴァンピ』の


 鋭利(えいり) 明日翔(あすか)くんだから。












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