明日翔くんの求愛行動は間違っている


 彼はムスッとした顔で、自分の席に座ると


 ――誰も俺に話しかけんな!


 不機嫌オーラを放ちながら

 頬づえをついて、窓の外を眺めだした。




 はぁぁぁぁぁぁ。

 やっちゃった……

 完全に、嫌われちゃった……



 明日翔くんへの恋は、諦めたはずだった。


 宇宙人&大人気アイドルが

 私なんかを好きになってくれる

 はずはないし。



 でも……


 私の瞳に本人が写っちゃうと、もうダメ。


 ――小4の時に私を救ってくれた

   王子様が、目の前にいる。


 感謝とドキドキで

 恋心が再燃しちゃうから。



 バーカバーカ言われても

 彼のことが大好きなんて……


 私はどれだけ、破天荒なアイドルに

 沼っちゃっているんだか。










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