私ってそういうこと?/②発熱&開眼編
そして私は赤き巣へ
その1
夏美
「…ってことでさ、私たちは何が何でも夏美には南玉連合へ加入してもらいたいのよ」
「タッコ、どういうことよ…?第一、南玉連合に入るとしても来年の春、高校に入ってからでしょ?あなた達と私、高校も一緒かどうかなんかわかんないじゃん」
「あのね、夏美…。高校が違ったって、中学の親友が南玉ってのだけでいいのよ。ウフフ…、自分の知り合いで南玉や紅組にパイプを持ってるってのが、今ステータスなんだってから。この都県境界隈の女連中ではさー」
マユミの言ってることも何か、ずいぶんと乱暴だなあ…(苦笑)
...
「…私さ、まだ何ともだよ。そもそも、私なんか、その辺のスケ番みたいにケンカなんかできないよ。いや、やったこともないって。だから、憧れはあるけど、無理かなって思ってる」
「あのねー、紅組はまさしくいざとなったら大の男とも構える武闘集団のポジショニングを崩さないけど、南玉は全員がケンカの猛者とか凄腕の大女って訳じゃないらしいんだよ。特にこれからは。何しろ、あの墨東会をしのぐ都県境最大規模の集団を視野にいれてて、どんどんメンバーを増やす方針なんだってから…。ねえ、マユミ」
「うん。私もそう聞いてる」
「だからって…、誰でも彼でもって加入させないでしょーが!」
「はは…、夏美らしくないわね。今言ったじゃん。これからは腕の立つ女ばかりじゃなく、まさにあなたのような人を率いることのできるマンパワーを備えた人材が重要ってことなのよ」
タッコはいつもながらはっきりした滑舌で、理路整然と端的に説明してくれた
「あのさ…、去年のことで、私を策略家みたいに言わないでよ」
タッコとマユミはクスクスとニヤけたわ
自虐モードでカマ掛けたってのに、要はそういうふうに私は見られてるってことはあるのか…
...
「まあさ、それは才覚よ。悪い意味に捉えることないって。去年の”あん時”の一連だってさ、こっちのグループを夏美がリードしてくれたから、ああなったんだし」
「そうそう。夏美の狙いと読みで私たち、桃子たちの鼻をあかせたんだもん。みんな、あなたのおかげだと思ってるわ」
「だからさ…、私ら、夏美がその”武器”をアピールすれば、南玉には入れると思うんだよね」
この時、私は決して悪い気がしなかった…
去年のクラスを二分したあの一連の対立は、結果的に私の計画通りに運んで、こっちのグループがいわば勝ったんだもの
...
「タッコ…、仮に私がその気になったとして、どういう方法で接触すればいいのかな。まさか、一斉オーディションってことはないんでしょ?」
「うん。実は私らもいろいろと、その辺は当ってんだよ。近いうち、何らかの手段が見つかると思うから。そん時はすぐ持ってくしね」
「わかったわ。とにかく、タッコとマユミの情報次第で考えましょう」
この日はそれで終わったわ
そして、新学期が始まって間もなく…、昼休みにタッコとマユミが私の教室へ飛び込んできたのよね
夏美
「…ってことでさ、私たちは何が何でも夏美には南玉連合へ加入してもらいたいのよ」
「タッコ、どういうことよ…?第一、南玉連合に入るとしても来年の春、高校に入ってからでしょ?あなた達と私、高校も一緒かどうかなんかわかんないじゃん」
「あのね、夏美…。高校が違ったって、中学の親友が南玉ってのだけでいいのよ。ウフフ…、自分の知り合いで南玉や紅組にパイプを持ってるってのが、今ステータスなんだってから。この都県境界隈の女連中ではさー」
マユミの言ってることも何か、ずいぶんと乱暴だなあ…(苦笑)
...
「…私さ、まだ何ともだよ。そもそも、私なんか、その辺のスケ番みたいにケンカなんかできないよ。いや、やったこともないって。だから、憧れはあるけど、無理かなって思ってる」
「あのねー、紅組はまさしくいざとなったら大の男とも構える武闘集団のポジショニングを崩さないけど、南玉は全員がケンカの猛者とか凄腕の大女って訳じゃないらしいんだよ。特にこれからは。何しろ、あの墨東会をしのぐ都県境最大規模の集団を視野にいれてて、どんどんメンバーを増やす方針なんだってから…。ねえ、マユミ」
「うん。私もそう聞いてる」
「だからって…、誰でも彼でもって加入させないでしょーが!」
「はは…、夏美らしくないわね。今言ったじゃん。これからは腕の立つ女ばかりじゃなく、まさにあなたのような人を率いることのできるマンパワーを備えた人材が重要ってことなのよ」
タッコはいつもながらはっきりした滑舌で、理路整然と端的に説明してくれた
「あのさ…、去年のことで、私を策略家みたいに言わないでよ」
タッコとマユミはクスクスとニヤけたわ
自虐モードでカマ掛けたってのに、要はそういうふうに私は見られてるってことはあるのか…
...
「まあさ、それは才覚よ。悪い意味に捉えることないって。去年の”あん時”の一連だってさ、こっちのグループを夏美がリードしてくれたから、ああなったんだし」
「そうそう。夏美の狙いと読みで私たち、桃子たちの鼻をあかせたんだもん。みんな、あなたのおかげだと思ってるわ」
「だからさ…、私ら、夏美がその”武器”をアピールすれば、南玉には入れると思うんだよね」
この時、私は決して悪い気がしなかった…
去年のクラスを二分したあの一連の対立は、結果的に私の計画通りに運んで、こっちのグループがいわば勝ったんだもの
...
「タッコ…、仮に私がその気になったとして、どういう方法で接触すればいいのかな。まさか、一斉オーディションってことはないんでしょ?」
「うん。実は私らもいろいろと、その辺は当ってんだよ。近いうち、何らかの手段が見つかると思うから。そん時はすぐ持ってくしね」
「わかったわ。とにかく、タッコとマユミの情報次第で考えましょう」
この日はそれで終わったわ
そして、新学期が始まって間もなく…、昼休みにタッコとマユミが私の教室へ飛び込んできたのよね