私ってそういうこと?/②発熱&開眼編
その5
夏美



ジャージ姿の達美は私の正面に座った

「…達美、この子も今、正式に来春メンバーに決まったわ。相川夏美さんよ」

「やあ、相川さん。私は刃根達美です。まあ、ひとつよろしく頼むね、はは…」

達美は何とも言えないさわやかな笑顔で、私に向かって右手を差し出した

ぎゅっと握った時のふっくらした、温かくもやわらかいアイツの手の平の感触…

思い出すなあ~~

なにしろ会った瞬間、この達美には好感が持てたのよ!


...


「相川夏美です!こちらこそ、よろしくお願いします。刃根さん…」

「おう…、お互いがんばろうな、同期の桜になるんだし。でもその前に、私は高校受験頑張んなきゃ。ハハハ…」

「そうよ!頼むわよ、達美…。ああ、この相川さんは達美が持ってないものをすでに持ってるわ。逆に相川さんは達美から吸収することがいっぱいあるはずよ。ふふ…、今日は偶然だったけど、あんた達、いいコンビになりそうね」

この時の甲斐先輩の言葉も忘れられない…!

だって…!

これから1年半後の南玉連合は、私たち二人が総長・総長補佐となって、1年間、刃根達美とは二人三脚で組織運営に疾走していくことになるんだもん(笑)


...

で…

私の”合格”には、タッコとマユミ、もう飛び上がって喜んでくれてね…(苦笑)

「…これで私、高校受験に全力投球できるわー❣何しろどこの高校行っても、南玉メンバーの親友が出来てるんですもの…❣」

マユミはそう言って私の両手を握りしめてた

「ホントよね~。…私も来春までは人には口外しないけど、正直みんなの前で、特にも桃子達の前では大声で言ってやりたいよ。夏美が南玉連合の内定とったぞーって(笑)」

タッコは、去年クラス中で大騒動になった”例の件”の、相手側のリーダー格だった桃子と3年になっても同じクラスだから…(苦笑)

かくて、中3の秋…、私は高校受験の前に、南玉連合加入の切符を手にした

しかし…、”それ”は、それからすぐのことだった

今や伝説となっている、紅組×墨東会の全面衝突が勃発してね





< 14 / 28 >

この作品をシェア

pagetop