飛べない私がもらった翼
ひとり焦っていると、隣から

「桜庭さん」

と、こそっと声をかけられた。

「もしかして、忘れてた?」
「うん、忘れてた…」
「はいこれ、俺の写す?
授業の最後に集めるって言ってたから、この時間で頑張れば終わると思う」
「え、いいの…?」
「うん、全然」
「ごめんね、ありがとう」
「いえいえ」
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