飛べない私がもらった翼
そんなことを考えているうちにくじを引く順番が回ってきて、黒板に書かれた番号の席に移動する時間になった。
あーあ、真ん中らへんの席だ。後ろの席とはおさらばか。
名残惜しい気持ちで、窓から秋晴れの空を眺める。その青は、眩しすぎて少し目が痛い。うっすら窓ガラスに映っている、無表情で冴えない自分と向き合うのが嫌で、私は机を動かし始めた。
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