ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません
1. プロローグ


 隣の家に住んでいた大好きな同級生の男の子。

 小学校を卒業する前に、転校して姿を消した彼。


 両親の転勤が理由だったとしても、黙ってこの町を出て行くなんて酷いよ。

 最後に顔を向き合わせて、話したいことだってあったのに……


 口数が少なくてクールな性格だったけど、私だけには優しく接してくれていた。

 私が口下手で内気な性格の地味子と知ってる幼なじみ。

 一緒にいて会話をする時間が、とても心地よかった……


 内気な性格の私に、中学校生活で友達はできないまま。

 学習机に頬杖を付いて、二階の自室から外を見つめても隣はずっと空き家。

 いつも私のことを気にかけてくれた、優しい幼なじみの姿はない……



 でも、高校へ進学した私に奇跡が起きた。



「よっ、元気にしてたか」


 私が中学生だった三年間、その空白時間を飛び越えるように彼が姿を現す。


 背が高くてイケメンに変貌した幼なじみとの再会。



 胸が、ぎゅっと締め付けられる私の思いとは裏腹に。

 彼には、想像することもできないヒミツがあった……






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