ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません
昼休みになってすぐ、席を立つ奈緒くん。
校内にある売店へ昼食を買いに行くのか、それともトイレか。
彼が歩く後ろをキャーキャー騒ぎながら付いて歩く数人のクラスメイト。
みんな女子生徒で、なんだか楽しそう。
だけど、奈緒くんはちょっと不機嫌なように見える。
昼休みが終わる前に、奈緒くんが教室へ戻ってきたけど女子生徒の姿が見えない。
変わりに、この教室で目立つ行動をしていたカーストの女子たちが回りにいる。
何かあったのだろう、周りの雰囲気を見て理解した。
きっと、アノ子たちが追い払ったにちがいない。
奈緒くんを、自分たちのものにしようって考えてるのかも。
「放課後、どっか遊びにいこうよ」
奈緒くんの肩に優しく手を乗せながら、甘えた声で話してる。
すぐ隣で会話を聞いてる私は気が気じゃない。
「そんなことより、龍堂 姫乃って奴このクラスにいないのか?」
奈緒くんの言葉を聞いたカーストの子たちが、一斉に私を睨んできた……