ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません


「はっちー、メガネかけたほうがいいじゃない?」


 私と奈緒くんの間に割って入るカーストの子たち。

 その様子を、離れた席から見つめて嘲笑ってる谷崎くん。


 昼休みが終わり、五時間目が始まるチャイムが鳴った。

 授業も終わって放課後になると、わたしは帰り支度を済ませる。

 隣の席に座っていた奈緒くんが手を伸ばし、私の腕を掴みながら言ってきた。


「姫乃、いこうぜっ!」


「えっ、ちょっと、奈緒くん……」


 少し強引だけど、腕を引かれながら私は教室を出る。

 後ろの方で誰かが叫んでるけど気にしない。

 そのまま学校を出て、私と奈緒くんは一緒に帰路を歩く。


 背が高くなって、イケメンに成長した幼なじみの横を歩く私。

 幼い頃に戻ったような感覚で、二人だけの時間を過ごしてる。


 お互い高校生になって、同じ学校の制服を着たまま並んで歩く。



 小学生の時に転校して、もう会うことは無いと思っていた彼と。


 地味子の私が再会できるなんて、夢にも思ってなかった……






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