ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません
4. なんだかちょっと心地いい


 二人っきりになったけど、ドキドキして言葉が出てこない。

 話したいことは、たくさんあるのにどうして?


 それにしても、ビックリするほど不釣り合いな私たち。

 地味子とイケメンが、制服姿で歩いてる。

 すれ違う人に、変な目で見られてないか心配だよ。


「このまま姫乃の家に行くから、よろしく頼むぜ」


「えっ、今なんて言ったの!?」


 内気で目立つことが嫌いな私だけど、驚いて大きな声を出してしまう。


「なんだ、でかい声だせるじゃねーか」


「ごめんなさい……驚いてしまったから、つい……」


 すぐに小声で話したので、奈緒くんもあきれてる。


「あのころの、男勝りな姫乃はどこにいったんだ?」


「元気だった幼少の頃の私は……もういないよ……」



 沈んだ声で、顔を俯かせながら私は話す。



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