ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません
わが家は、お姉ちゃんと私の姉妹だから、男の子がいて嬉しいんだ。
お母さんは奈緒くんのことを幼少の頃から可愛がっていたよね。
成長した我が子みたいに、思ってるだけならいいのだけど……
ぜったいに、この状況を楽しんでる。
男子に免疫がなくて内気な私の、リアクションを見て嘲笑ってるんだ。
酷い母親ね……
「奈緒ちゃん、食事が終わったら、お風呂に入ってきなさい」
「んっ、わかった」
ええっ! 奈緒くん断らないのっ!
幼なじみといっても、三年ぶりに再開したばかりじゃない!
同級生で同じ歳の異性の家で、お風呂に入るとか……
まあね、幼少の頃はお互いの髪や背中を洗ったりしてたけど……
高校生になって、そんなことできるわけないよっ!
「なに言ってるのっ!」
私は声を張り上げて、怒りながら話した。