ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません


 どれだけの時間がたってしまったのだろう。

 心の中で思い悩んでいたら、夜の八時を過ぎて外も暗くなっていた。

 私はお母さんに言われた通り、脱衣所へ向かう。


 三つ編みの髪を解いてブレザーの上着を脱ぎ、ブラウスとスカート姿で思いついた。


「そうだ、入浴剤をつかってリフレッシュしよう」


 ゆずの香りがする入浴剤の袋を手に持ち、風呂場の扉を開けると……


「あっ……」


「……」


 奈緒くんと目が合った。

 なぜ?


「○×△□$※♯∑¥***!!」


 言葉にならない叫びでもない変な声が漏れ出てしまった。

 だって、湯船に胸まで浸かって寛いでる裸の奈緒くんがいたんだからしかたない。


「子供のころを思い出して、俺と一緒に入るか?」


 奈緒くんは涼しい顔でクールに言ってくるけど、そんなことできないよっ!


「あわわわわわっ……」



 私は変な声を出しながら動揺して、膝の震えが止まらない。



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