ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません
わわわわわっ、思い出した!
奈緒くんと抱き合って寝てたよっ!
幼少のころだけど、高校生になった今じゃ考えられないことしてた!
「どうした姫乃、すっげえ顔が赤いけど」
奈緒くんが私を見つめながら言ってくる。
「べべっ、べつに何でもありませんけど!」
いきなり敬語になって、動揺してるのがバレてしまう。
胸のドキドキが止まらないよ。
「じゃあ俺、今日は疲れたし姫乃の部屋に行ってるから」
「ちょっと待って!」
私の言葉を聞こうともせず、奈緒くんは立ち上がるとリビングを出て階段を登り始めた。
急いで後を追いかけ、私も階段を駆け上がる。
「あれ? 姫乃の部屋、暗いんだけど」
私の部屋へ勝手に入った奈緒くんが、何か言ってるよ。
室内の照明が消えてたら、暗いのは当たり前じゃない!