ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません


 ベッドの上に奈緒くんが背中から倒れて横になってる。

 私は彼に覆い被さるような感じで抱きつき、彼の胸に顔を埋めていた。


 手を付いた指先に、リモコンがあって触れてしまう。

 天井の照明が点灯して、部屋の中が一瞬で明るくなった。


 「……」


 偶然の事故とはいえ、成長してイケメンになった幼なじみの体に身を寄せるなんて……

 しかも、私が彼の上に覆い被さってるってどういうこと?


 すぐに身を引き離したいけど、突然のことで体が思うように動かない。

 口から言葉も出てこないし、最悪だ。

 顔が真っ赤になって、胸のドキドキがすごいことになってるよ。


 こんな状況なのに、奈緒くんんは私の頭に手を乗せてポンポンしてきた。

 ふと我に返った私は、顔を上げて彼を見る。


 奈緒くんは無言のまま、顔を横に向けてベッドの枕元に置いてあった写真に視線を向けていた。

 そこには……



 幼少の頃、私と彼が一緒に並んで笑顔を見せている写真があった……



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