ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません


「なんだよ、うるせえな……」

 奈緒くんが目を覚ましたけど、まだ寝ぼけてるみたい。

 私は彼にバックハグされたままだから、顔の表情も見れないし……


 その時!

 奈緒くんが私を強く抱きしめながら、低音ボイスでクールに言ってきた。



「だまって俺に抱きしめられてろよ、姫乃……」



 わわわっ! 背後から甘い吐息を耳に吹きかけないでよ!

 背後から抱きしめられてるので、抵抗できないし逃げることも無理っぽい。

 体をモゾモゾさせて身もだえるのが精一杯。


 しかもっ!

 ぱくっ、もぐもぐ……


 奈緒くん寝ぼけてるの~っ!

 耳を甘噛みしながら、はむぅはむっ、ってしないでぇ~っ!

 私の耳は餃子じゃないよっ!


 もう我慢の限界、私は体をバタバタさせながら大騒ぎ。


「○×△□♯∑¥$〒々☆♂♀※っ!!!」



 まともな言葉にならないぐらい、私は取り乱していた……



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