ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません


「姫乃、どうして俺の布団で寝てんだよ……」


 奈緒くん、君が私の布団に入り込んできたんだよ。

 昔は一緒に寝てたけど、幼少のころとは違うんだからね。

 私たちはクラスメイトで同じ高校で同級生で幼なじみだから忘れないで。


「今度、俺の布団に断りもなく入って寝てたら、罰金だからな姫乃」


 それ、奈緒くんが言うセリフかな!?


「わかったから、早く起きて朝食を済ませてね」


「おう」


 私は目を覚ました彼の体を振りほどき、部屋を出て階段を下りる。

 洗面所にある鏡で自分を見ると、顔が真っ赤に染まっていた。


「うれしいけど、心臓に悪いよね……」


 項垂れながら歯を磨く。

 大好きな幼なじみとグッドモーニングでバックハグとか……


 制服姿で階段を降りてきた奈緒くんを目にする。

 私も自分の部屋に戻り、ブレザー制服に着替えて食卓テーブルの椅子に座った。



< 41 / 77 >

この作品をシェア

pagetop