ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません


 高校へ向かう通学路を歩きながら、思わず大きな声を出して驚いてしまった。


「朝飯の時に、俺の両親が引っ越して来るまでそうすれって、姫乃のおばさんが言ってきたんだ」


 お母さんが勝手にそんなことを……

 ダメじゃないよ、うれしいのだけど……

 幼なじみと突然の同居なんて、不安な気持ちでいっぱいだ。


「そのこと、クラスメイトに言わないって約束してほしいな……」


「わかったよ姫乃、そうする」


「ありがとう、奈緒くん」


 通学路を一緒に歩きながら話す、何気ない会話。

 周りの生徒は、私たちが幼なじみだって知らないよね。

 地味子とイケメン男子がどうして?って不思議顔で見てくる。


 釣り合わないのは自覚してるけど、一方の奈緒くんは気にもしてない様子。

 私と一緒に歩く通学路や学校生活を楽しんでるみたい。


 学校の敷地内に入って、生徒玄関に足を踏み入れると。



 目の前にカーストの女子たちが待ち構えていた……



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