ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません
「隣のイケメンとよぅ、幼なじみなんだって? おもしれぇな」
奈緒くんが教室に来るよ、こんな姿は見られたくない。
総長さん、早く自分の席に戻って!
「あいつ女にモテるなぁ、うらやましいなぁ、くやしいなぁ……」
なんだろう、すごく嫌な予感がする。
「ぶっつぶしてぇなぁ、ああいうイケメンはよぅ」
谷崎くんが、奈緒くんのことを……
私の勘違いだよね、そうであってほしい。
相手は暴走族の総長、バックにたくさん仲間がいるはずだ。
教室に奈緒くんが姿を見せた。
その周りには、カースト女子もいる。
「ムカつく野郎だなぁ、気に入らね~」
谷崎くんは、不快な表情で呟きながら自分の席に歩いてく。
奈緒くんは、渋い顔で口を閉じてる。
周りにいるカーストの子たちは、相変わらず一方的に話しかけていた。