ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません
3. 幼なじみとの再会
翌朝、いつもの通りに学校へ向かう。
ブレザーの制服姿で、私は長い髪を肩から毛先まで三つ編みに結ぶ。
顔の表情も見られたくないから、前髪もちょっと伸ばしてる。
痩せてて細身の体型もコンプレックスだ。
足は細くても、スカートは短くしないで膝丈のまま。
どこから見ても地味子なのは自分でも分かってる。
内気で気が弱い私は、あまり目立つ格好をしたくない。
顔を俯かせ、おとなしい女子高生として学校生活を過ごしてる。
教室に入って自分の席に座ったけど、誰からも「おはよう」の挨拶はない。
私は透明人間、空気なのだからしかたないよね。
高校生活はずっとこんな調子なのかとさえ思えてくる。
「今日も地味だな、つまんね~」
先週、私のことを地味子あつかいしてきた男子が絡んできた。
見た目と話し方がちょっと怖い不良男子なので、視線を下に向けて無言をつらぬく。
私は中学校生活の三年間を、この方法で切り抜けてきた。
「なんのリアクションもね~の? つまんね~やつだな」