ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません
「はあ?」
教室にいるクラスメイトたちが一部始終を見て、ザワザワし始めた。
奈緒くんが逮捕される?
カーストの子たちも、遠目で見てるけど手出しはしてこない。
「きまりぃ~、あたしと一緒に来てもらうから」
そう話すと、上級生の女子生徒が奈緒くんの……
ではなく、私の腕を力強く掴んできた。
「えええっ!」
「あたしについてこい、逮捕だぁ~」
「どうして私が……」
私の言葉を途中で断ち切り、腕を引かれて教室の外へ連れ出される。
奈緒くんも椅子に座ったまま、呆然とした表情で私を見送るだけ。
「先輩、なぜ私なんですか」
生徒の姿がない廊下の片隅で立ち止まると、私の腕を放して解放してくれた。
かと思ったら、振り向いた上級生の女子生徒がいきなり私に抱きついてくる。
「姫さま~」
「ええっ!」