ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません
「もしかして、和泉 瑠衣(いずみ るい)ちゃん……」
「そうだよ、姫さまぁ~」
メガネをしてるし、学校の制服姿だから気づかなかった。
「あたし、どうしても学校で姫さまに会いたかったのよ」
「そうでしたか、ちょっと驚きましたけど」
「姫さまも高校生になったんだね。同じ高校だし、うれしいよ~」
再びハグハグ、喜びながら私に抱きついてくる。
私より一歳年上で、すごく美人さん。
でも、本性は……
お姉ちゃんが初代総長をしていたレディース暴走族を引き継ぐ二代目総長。
無鉄砲に突っ込んでいくお姉ちゃんを冷静にして、グループを纏めていた。
戦国時代の知将みたいに頭がキレて、レディース暴走族どうしの抗争にも負けたことがない。
そのおかげで、この町のレディース暴走族は一つに纏まり大きな組織になっている。
だけど……
初代総長の妹には、猫なで声で甘えてくるのだ。
「姫さ~ま~」