ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません


「やっぱり姫さまは、初代総長にそっくりだよ」


 一応、顔が似てる姉妹なので、そうなるよね……


「集会に参加してくれたら、みんな喜ぶんだけどな~」


 内気で地味子の私には絶対に無理です。


「えっと、姫さまに報告したいことがあるのよ」


「私に?」


「ちょっと強引だったけど、教室から連れ出して生徒のいない場所で話したかった」


「なっ、なんでしょうか……」


 真顔で腕組みする和泉ちゃんが、目を細めながら口を開く。


「クラスメイトで、谷崎 悟ってゆう奴がいるでしょう」


「うん、暴走族の総長さんだって噂で聞いたんですけど……」


「すっごい粘着で、めんどくさい性格の奴だから気をつけてほしいのよ」


「なんか、そんな感じがしますよね」


「それと……」


 和泉ちゃんが急にニヤニヤして、半笑いの顔で言ってくる。


「姫さまが小学生の時に転校した幼なじみ、イケメンだねぇ~」



 さすがレディース暴走族の二代目で知将、情報収集がハンパない……



< 54 / 77 >

この作品をシェア

pagetop