ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません
8. 先の見えない抗争


 放課後、私はカーストの子たちから校舎の裏に来るよう命令されていた。


 こうなってしまうんじゃないかと予想はしてたけど、しかたない。

 あれだけ目立つ行動をしてたら、不快に思う子たちが黙ってないよね。


 中学生の私は顔を下に向けて俯き、黙り込んでいた。

 目立つことを避ける地味子になって、トラブルを回避する。

 でも、高校でそれができなかった。


 きっと、奈緒くんと楽しく過ごした日々の代償なんだよ。

 私は内気な地味子、逆らわず言われた通り、放課後に校舎の裏へ足を向けた。

 奈緒くんには黙ってきたよ、迷惑はかけたくないから……


「よう地味子、きたなぁ~」


 なぜ? ここに谷崎くんがいるのっ!

 カーストの子だけじゃなかった!


「助っ人の上級生、連れてくるかなって身構えてたんだけど、ハズレだったみたいね」


 カーストの子たちが、周囲を見回して話してる。

 和泉ちゃんは学校でも有名人だから、レディース暴走族の情報は聞いてたんだ。

 今日の昼休み、私が教室から連れ出されたことは話題になっている。



 だからって、地元暴走族の総長を用心棒にするなんて……



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