ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません
時間が無い、私は急いで行動に出た。
ドラッグストアでヘアカラーを買い、髪を染める。
三つ編みをほどき、長い黒髪を染めていく。
髪を染めたことがない地味子の私、だいたい予想はついてたけど……
「頭の中で思い描いてた色にならない……」
お姉ちゃんがやっていた、必殺の裏技を試す。
二回染め。
髪はギシギシで、ツンとした臭いが残ったけど成功した。
「すごい、お姉ちゃんそっくり……」
鏡に映る姿は、初代総長と瓜二つで見分けが付かない。
自分でも驚くほど完成度は高い。
「よし……」
階段を上がって姉の部屋に足を踏み入れる。
クローゼットの扉を開くと、真っ赤な特攻服があった。
私は白いサラシを胸に巻き、特効服に袖を通す。
「もう、後戻りはできないよ……」