ひさしぶりに再会した幼なじみが総長様だったなんて聞いてません


「ちょっとまて、その格好で言うセリフか?」


「たしかに、説得力ないかも……」


 金髪サイドテールに赤い特攻服姿で、奈緒くんの背中に両手を回し、私も彼を力強く抱きしめる。


「大好きな幼なじみと離れたくない、その気持ちが私の心を突き動かしたの……」


「俺も……」


 気のせいかな、奈緒くんも涙声……


「暴走族から足を洗って、姫乃と楽しく過ごせたらって……いつも考えてたんだぜ……」


「もしかして、私たちって両思い?」


「俺と姫乃は、まちがいなく両思いだ」


 顔を上げると、奈緒くんが私を見つめてくる。

 そして、唇が近づいてきた……



 薄暗い河川敷で、月明かりに照らされた私と奈緒くんは……




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