いじっぱり姫の青葉色は。
はじまりのはじまり。
「うるっせぇな! いい加減黙れよお前!!」
その一声で、緩んでいた空気が一瞬にして張りつめ、教室内は静まり返った。
突然の怒号に、配ろうとしていたプリントを宙に浮かせたまま固まり、口をあんぐりと開けて固まる先生。
先生の視線のみならず、クラスメイトたちの視線をも集める私たち。
チュンチュンと日向ぼっこをしている雀の鳴き声が、この空気に馴染まず無邪気にはしゃぐ。
えーっと……どうしよう。授業中なのに、騒ぎを起こしてしまった。
十中八九、悪いのは私の隣の席である陽キャくんだ。だけど、この空気を作り出したのは間違いなく私で……。
何事もなかったかのように黒板の方を向いていれば、意外となんとかなる……?
と、現実から目を逸らそうとしたとき。
小さく口を開いたのは、陽キャくんのお友達であり私の席の後ろに座る男の子だった。
「お前、口悪いな」
背筋を伸ばして正面へ向き直った私の背中に向かい、息を漏らすように笑う。
……そう。荒れた口調で怒りを爆発させたのは、私だった。