いじっぱり姫の青葉色は。
面と向かうのは初めてにもかかわらずドストレートに矢を放ったのは、同じクラスの榎本唯。私の2メートルくらい後ろで腕を組み、早く帰りたそうな顔をしている。5分で終わるから待って。
じっと観察してみると……ミルクティーベージュの髪がよく似合う童顔。制服はだぼだぼで“成長を見越して大きめのものを買っといたら失敗しました”感が半端ない。可哀そうに。
「貧相なのがうつるからこっち見ないでくれる?」
キッとこちらを鋭く睨みつけているけれど、残念。大きくて垂れた可愛らしい目で睨まれても、全然怖くない。子犬がきゃんきゃん吠えているようで愛らしい。
それに、言ってることが小学生だし、今回はダメージを受けずに余裕で笑みを浮かべられる。
そのまま温かい眼差しを向けていると、慌てて私の視線から逃げた。これまた可愛い。
威嚇したけども敵わなくて、しっぽ巻いて逃げ出すわんちゃんみたい。はー、愛でたい。