いじっぱり姫の青葉色は。



「なんか、鳥肌立ったんだけど……」

「桂木さんに意地悪なことを言うから、バチでも当たったんじゃない?」


 そう言って苦笑いを浮かべたのは、これまた同じクラスの笹羅(ささら)(がく)。唯くんを宥めるように、肩へ優しく手を乗せている。


 4人の中で唯一、常識人っぽい雰囲気を纏っている。髪は暗い緑だけど、メガネだし。


 類は友を呼ぶって言うからには、笹羅くんもずれてる人なのかもしれないけど……ま、たぶん大丈夫。メガネだし。


「……今、心の中で楽のことバカにしたでしょ」


 再び受ける鋭い視線に、慌てて首を横に振った。


 恐るべし、犬並みの嗅覚。メガネは人によっては悪口だからね。私は違うけど。


「撫子がそんなことするわけないじゃん~。とってもいい子なのに」

「とってもいい子はあんな風に怒鳴らないから。目を覚ましなよ」


 ぐっ……なにも言い返せないのがツラい。


 唯くんは毒舌な上に包まないだけで、言ってることは正しい。


 そう、つまり私は(ひん)……


 うっ……二重にダメージが……。時間差でイタい。



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