いじっぱり姫の青葉色は。



「で、でも! あれは桐山が授業を邪魔してくるから、ああなったわけで!」

「だって撫子が無視するんだもん。俺は撫子と仲良くなりたいのに~」


 出た。フレンドリーの化身め。


 顔がいいからってみんながみんな、お前と仲良くなりたいと思っているだなんて自惚れるなよ!


 それに、私がいくらコミュ障ぼっちだからって、噂話くらいは知ってるんだからな!


 ぼっちだからこそ、周りの音がクリアで盗み聞きしやすいんだよ!ぼっちをなめるなよ!


「絶対いや!」

「どうして?」

「だって……あんたたち不良じゃん?」


 そう言って、私は一歩分距離を空けた。


 桐山がすぐさま一歩踏み出して、私の二歩分近づいてきたのはなんなんだ。脚が長い自慢か?


 身体と影で囲い込んでくる桐山を下から睨みつける。なお、効果はない様子。


「あれ? 撫子も仲間じゃないの?」

「なんでそうなった」

「だって口悪いし、喧嘩強そうだし」

「成績オール5テストは常に学年1位お昼は毎日自作のお弁当ボランティア活動も定期的に参加していて美人の部類に入る名前まで可愛いこの私が不良なわけないじゃん? 思考回路どうなってるの?」

「うっわぁ……」



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