いじっぱり姫の青葉色は。
なぜか唯くんが声を漏らすほどにドン引きしている。もしかしたら、息継ぎもせずに長文を言い切ったのが人間離れしていたせいかもしれない。
桐山は頭の回転が遅いせいか、首をかしげている。時間が経ったらきっと理解が追い付くだろう。
「そもそも、私とあんたたちは住む世界が違うでしょうが。『守月』ってここらで一番大きい暴走族……しかも、その頭やら幹部やらだって聞いたし」
そう、こいつらはただの不良じゃない。群れを成して、ド派手に存在を主張する悪ガキ共。
さすがに停学の処分を食らったりはしてないみたいだけど、綺麗なお顔に絆創膏をつけてきたり、骨ばった手が真っ白な包帯を纏ったり、やんちゃしたときは必ず話題になる。みんなでオソロイって……仲良しJKか。
普通の不良だったら、私のさらさらな髪の毛先程は仲良くなる可能性があったかもしれないけども。危険と常に仲良しこよししてる族と絶対に関わりたくない!
「面倒ごとに巻き込まれたくない! 痛いのと怖いのはいやだ!」
インフルエンザの予防接種を人生で一度も受けたことないくらいには、痛いのを避けて生きている。ちなみに、か弱い私は今までに3度罹患した。
「……俺もやだ」
「は?」
「撫子の『いやだ』がやだ!」