いじっぱり姫の青葉色は。
なんの罰ゲームなんだこれは。
“あんたたちが羨ましくて毎日観察してました”というカミングアウト。生きてきた中で一番恥ずかしい。
私の顔が赤いのは一目瞭然だし、直接私の顔に触れてるんだから熱だって青葉薫には伝わっている。だから、私が羞恥のあまり死にたくなっているのはわかっているはず。
それなのに、どうして!顔を隠したくて下を向こうとしている私の邪魔をするんだ!指に力を込めるなよ!
私の顔からその手を離せ!覗き込んでニヤつくな!ニヤついても整った顔なのはなんでだ!腹立つ!
「……お前、可愛いな」
「私が可愛いのは今に始まったことじゃないけど?」
「やっぱ可愛くねーわ」
「いや、可愛いし!」
「うっわぁ……」
またもや唯くんのドン引く声が聞こえる。青葉薫が間違ったこと言ってるからか。仲間に引かれるなんて可哀想だネ。
ほら、笹羅くんだって『あれはすごいな……』って、青葉薫の無礼を皮肉ってるよ。どこからどう見ても可愛い私に可愛くないって言い切る無礼さにネ。
「とにかく、私はあんたたちと関わらないって決めたんだから! じゃーね!」
すっごい不本意だけども、ぶるんと顔を大きく振って一瞬ブス化した私。力が弱まっていた青葉薫の手からなんとか逃れられ、集団から抜け出した。