いじっぱり姫の青葉色は。
口が悪いのは、認める。
桂木撫子。高校3年生。
ギリギリ乙女座の私は、つい数日前に18歳になったばかり。
お母さんからちょっとお高めのメイクセットをプレゼントされて浮足立っている、そんなお年頃。
これまではサッカーボールだの野球観戦のチケットだの、私の性格に合わせたものをくれていたから、女子力高めなプレゼントを渡された今年はすごく驚いて、口に頬張ったショートケーキが女子らしくもなく飛び出るところだった。
まぁ、今までメイクをしたことがなかった私はプチプラのものを使って練習中で、プレゼントされたものはまだ一回も使えていないんだけど……。
棚の上で並んで輝いているそれらは、目に映るだけで私の気分を上げてくれるからそれだけで満足しちゃってるところがある。パッケージだけでも可愛い。
『お母さん、ありがとう』
『どういたしまして。撫子は美人さんなんだし、お化粧したらもっと可愛くなると思ったのよ~。昔はひやひやしてたけど、ようやく女の子っぽくなってくれて、お母さんも嬉しいわ~』
『あ、はは……』
……なんて、やっぱりまだ気にしてたんだって、苦い思いと一緒に脳内のアルバムに保存された。