いじっぱり姫の青葉色は。
「あらまぁ、この子たちったらだいたーん!」
「見てるだけで甘いんだけど。吐きそう」
「仲がいいのはいいことだけどね……ははっ」
悦に浸っているところ、桐山に茶化されてハッと我に返った。
そういえば、ワル3人もいたんだったわ……。
完全にこいつらの存在を忘れてた。どっかの誰かさんがキョーレツ過ぎて。
っていうか、最初っから最後まで……あの口の端ペロリからキス未遂までの、青葉薫との絡みを全部見られてたってことで。
「だ、だいたんなのは青葉薫だけだろーが……」
なんとか絞り出した言葉は自分が思ったよりも小さく、その辺に落ちて転がった。
追い打ちをかけるように、青葉薫は私の右頬へと左手を添える。
熱くて、暑くて。青葉薫の冷たい手で少しは熱が引けばいいのに、私の頬は熱を保ったまま。
私の熱を吸い取る青葉薫にはそれがいやでも伝わって、バレてて……小馬鹿にしているような瞳が腹立たしい。
私は手を払いのけ、見下ろされないように立ち上がった。