いじっぱり姫の青葉色は。



 よかった……私はいつもどおり可愛いんだ。


 みんなありがとう。私は自信もってイケメンたちの横を私服で歩けるよ。


「罰をコレにしといてよかったな」

「今日の撫子にはぴったりだね!」


 非常識2人組の目線の先には、重厚そうな銀色の輪っかが2つ繋がっている。


 テレビでしか見たことのないソレ。青葉薫の言う“罰”。


「わ、私! 体調悪いから今日はパス―――」


 ―――ガチャリ。


 金属同士が擦れ合い、自動でロックがかかった嫌な音。


 右手首だけがやけに重たい。冷たい。引力を感じる。


 そろりと目を向ければ、案の定、私に手錠がかけられていて。


「ちょっと! なんでこんな―――」


 ―――ガチャリ。


「……は?」


 もう一度、私の意思を無視する音が鳴り響いた。


 しかし、それは私の左手首にかけられたものではなくて。


「今日1日、よろしくな」


 もう1つを自分の左手首にかけ、悪魔のような微笑みを浮かべた青葉薫。


 こんな罰、アリなの……?



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