いじっぱり姫の青葉色は。



「嫌なことに慣れちゃダメだよ」

「え」


 諦めるのは簡単だけど、そんなの心が死んでるのとおんなじだ。


 そっちの方がマシだって言う大人は決して少なくない。


 でも、少なくとも私は戦うことを覚えてから、慣れた気になって傷つくことも減ったし、我慢するより言った方がすっきりするってわかった。


 唯くんが今戦えないんなら、私が代わりに戦う。いつも守ってもらってる恩もあるから、こういうときに返さないと。


 目が合ってそそくさと逃げる方がおかしいと思ったのか、開き直って私たちを待ち構えていた女の子。


 重たそうなフリフリの黒いワンピースに、黒い厚底ブーツ。ストレートの黒髪はツインテールでメイクは疎い私でも知っているいわゆる地雷系ってやつだ。


 学校生活でも関わることのないタイプでちょっと緊張する。


 が、しかし。唯くんのために勇気を出して口を開いた。


「あの、無断であの子を撮ってましたよね? 写真を消してください」

「なんのことですか? 私たちなにもしてないんですけど」



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