いじっぱり姫の青葉色は。



 きつい口調で下から睨み上げられる。


 普通なら目尻が上がりそうなものの垂れ下がったままなのはメイクの効果があるからか。


 心に余裕があるおかげで全く関係ないことを考えてしまう。


 いけないいけない。相手はボロを出したことに気づいていないんだから、ちゃんと指摘してあげないと。


「あぁ、なるほど。そちらの方も撮ってらっしゃったんですね。私が見たのはあなただけだったので、情報を提供くださってとても助かりました」


 ようやく自分の失言に気づいた彼女は顔を青くし、口元を押さえてお友達の方を見た。


 お友達の方も先ほどまでは堂々としていたのに、同じ顔色へと変化している。


 ……畳みかけるなら、2人が焦っている今がベストか。


「私は見てのとおり一般人なので、お二人のスマホを勝手に調べることはできませんよね……警察でしたら可能でしょうけど」


 私があえて出した衝撃的な単語にあからさまに反応した2人。



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