いじっぱり姫の青葉色は。



「お前、口悪いな」


 あんたのお友達のせいだが!?


 と、胸ぐらを掴みたい衝動をグッと堪え、半分ほど白で埋められた黒板を見つめる。


 つらつらと並べられた年号に、偉人の成し遂げた改革。


 テストでは暗記するだけの歴史は、言っちゃなんだけど興味がない人は寝てるやつ。


 私が目覚まし時計の代わりをやらなければ、大半のクラスメイトが今もいい夢を見ていたに違いない。


 ってことは、やっぱりこのまま前を向いてれば『あぁ、なんだ。夢か』って思ってもらえて、私の失態はなかったことになるのでは……?


 幸いなことに私の席は一番右列の後ろから2番目。周辺の生徒は机につっぷして寝ていたのは確認済みだ。遠くにいる生徒はなにが起こったかあんまりよくわかっていないみたいだし。


 よし!ワンチャンいける……!


「桂木さん、やっぱいいキャラしてんね! 見た目は大人しそうなのに、口悪すぎ~!!」



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