いじっぱり姫の青葉色は。
はじまりのおわり。
私は特になにも買わず、青葉薫は生クリーム缶×3に大満足し、みんなで焼き肉を思う存分に食べ、午後はメンズの行きたい場所を回りつくし、遊び疲れて辿り着いたのは都会の喧騒から離れた住宅街にある公園。
17時を過ぎて日が落ち始めたここに、無邪気に遊ぶ子供たちの姿はない。
砂場で本気を出す少年×3の姿はあるけど。
「青葉薫、ありがとね」
「なにが?」
「全部だよ。いつもありがたいし、今日は特に私を励ますために連れ出してくれたんでしょ?」
赤くなり始めた夕日が私たちを力強く照らす。
めいっぱいの光を浴びているせいか心の奥底にまでスポットライトがあたっているようで、本心を隠しても無駄だと思わされた。
だけど、青葉薫はどこまでいっても『守月』のトップ。
情景ごときで総長の行動は変わらないらしい。とぼけた笑みを浮かべてなにも言わない。
世の中には“無言の肯定”って言葉もあるのを青葉薫は知っているだろうか。
私はポジティブな人間だから自分の都合のいいように捉えることにする。