いじっぱり姫の青葉色は。
あーむず痒くて外したい。でも、片方貰えたのもつけてくれたのも嬉しい。
またこの矛盾した感情。意味不明だ。
なにか言い返したいのに、うまく言葉が出てこない。取り繕えないのは、やっぱり眩しい夕日のせいだと思う。
……なんて、心の中で言い訳をしていると、後ろからノシっと体重をかけられた。
私がキレないぎりぎり手前の重みをかけてくるのは……
「ちがうよ~。撫子は俺たちみんなのものだよ! いくら薫でもそれだけは許さないよ!」
私の首元に手を回し、のっかってくる桐山。砂遊びを終えたらしく、あとの2人は青葉薫の前に立っていた。
「今回は流星に同意」
「あれ、唯。桂木さんのこと認めたんだ。珍しい」
「べ、べつに。いつまでも内部分裂してる方がおかしいかと思っただけだし」
「唯も撫子にハグしとく?」
桐山の後ろからのじゃれつきはギリギリのギリだけど、唯くんなら正面からでも大歓迎!
と、テンションが上がり、愛おしいわんこを出迎えるように両手を広げようとしたけども。