いじっぱり姫の青葉色は。
いきなり私の出鼻を挫くようにブフォッと盛大に吹き出し、大口開けて笑い出したのは、事の元凶である陽キャくん。
おい!後ろの席のやつは小声だからまだいいとして、お前は声がでかいんだよ!
私が言ったものだって確定させるんじゃないよ!
「い、今の……本当に桂木さんだったの? あんなに低い声で汚い言葉を、あの優等生の桂木さんが……?」
我に返った先生は混乱し、力が抜けたせいでプリントは床へと大袈裟に舞った。
……うん、決めた。今も隣で笑い続けてる陽キャ、1回しめる。
『放課後 体育館裏』
いろんな意味で遠くにいる先生にニコニコと愛想笑いを向けながら、メモ紙に文字を並べて丸めたそれを隣の机へ投げ捨てた。
途端に隣から湧く、喜びの声。鼻歌まで聞こえてくるのは一体なぜなのか。
とことん私を苛立たせる陽キャに最後まで実力行使をしなかった私は、結構偉かったと思う。
誰か褒めてほしい。本当に。